FEP: 細胞内の翻訳機構を制御

自社プログラムのひとつとして、「翻訳」に関わるタンパク質であるeIF4EとeIF4Gの結合を制御する化合物(FEP)の開発を進めております。がんに関係する様々な細胞内シグナル伝達経路の終末で作用点であるCAP依存性翻訳複合体(CAP複合体)は、mRNAの情報からタンパク質を生成する役割を持っております。このCAP複合体を構成するeIF4EとeIF4Gの結合を阻害することで、がんの増殖に必要なタンパク質の合成を止める仕組みです。本来、この結合を調整する制御因子として4E-BP1というタンパク質がeIF4Eに結合することで過度な翻訳が制御されておりますが、がん細胞では上流のPI3K/Akt/mTOR経路が活性化され、4E-BP1の機能が無効化されております。そこで、当社はPepMetics®技術を用いて4E-BP1の模倣化合物を作り、過度な翻訳を制御することに成功いたしました。実際にはいくつかのがん種において、この経路が特に活性化されていることが報告されております。たとえばTNBC(トリプルネガティブ乳ガン)では約42%、膀胱ガンでは約43%の患者様において本経路が活性化されており、4E-BP1の模倣化合物はこれらがんに対する分子標的薬として期待されております。アメリカ・日本・ヨーロッパ主要国でのこれら活性化されている対象患者数は、TNBCで約13万人、膀胱ガンで約11万人と見積もることができ(Datamonitor Healthcare® Patient-based market forecastによる)、更にはこれらがん腫に対する分子標的薬が無いことから、マーケット的に大きなインパクトがあります。